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quant-ph · cs.CC 2026年9月28日
説明 Aaronson-Ambainis予想の非一様分布への拡張
要約 本論文は量子計算量理論の未解決予想を扱う。一様な入力分布の下で、量子問い合わせアルゴリズムは多項式オーバーヘッドの古典アルゴリズムで模倣できるかという問題である。著者らは偏りのある積分布およびハミング重みが固定されたスライス上の類似予想を検討し、いずれも元の一様分布の予想と同値であることを示した。さらに、ブール超立方体上の低次多項式に関するAaronson-Ambainis予想の変種も定式化し、それらが元の予想と同値であると証明している。
Uma Girish, Kunal Mittal, Barak Nehoran ほか
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quant-ph 2026年9月28日
説明 GKP連結qLDPC符号の回路レベルベンチマーク:回路ノイズ下での有限符号率外層符号の比較
要約 本論文は、GKP符号の外層符号としてBB符号とtricycle符号を比較し、符号容量ノイズから繰り返し雑音付きシンドローム抽出、スケジュール別変位伝播までを統一シミュレーション枠組みで評価している。完全な回路モデルでは、アナログ情報を用いたBP-OSD復号の閾値は、選択されたBB系列で約0.212、tricycle系列で0.142であり、それぞれ約10.46 dBと13.94 dBの圧縮要件に対応する。アナログGKP情報は回路レベルのノイズ下でも復号を改善し、本仮定下では選択BB系列の有限サイズ交差推定値がtricycle系列より高い。
Yuan Yao, Ruipeng Xing, Jianshuo Gao ほか
★★★★☆ 注目
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quant-ph 2026年9月28日
説明 一般化 LIMDD:群による剰余決定図の簡潔性と正準性
要約 本論文は、群で作用する残余ノードを粗く統合する手法を研究し、{0,1}^n→C の関数を一般化局所可逆写像決定図(LIMDD)で表す。対象となる群は、最大 k 個の制御量子ビットを持つ位相回転 C^{≤k}R_q(ビットフリップ X の有無を含む)から生成される族である。この族は Pauli-LIMDD に比べ指数的な簡潔性の向上を示し、族の全メンバーに対して一意な正規形を与える五つの簡約規則が提示され、その正規形は多項式時間で計算できるとされている。
注目点 Myhill-Nerode商を群作用に一般化し指数的な簡潔性向上を示した。証明は比較的完全で、量子回路表現の分野に影響が大きい。
Arend-Jan Quist, Alexis de Colnet, Thomas Reps ほか
★★★★☆ 注目
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quant-ph 2026年9月28日
説明 ゲージ自由度とLindblad学習のための効率的アルゴリズム
要約 本論文は、状態準備・測定(SPAM)ノイズがある場合に局所リンドブラッド演算子を学習する問題を扱う。SPAMノイズにより異なるリンドブラッド演算子が実験的に区別できなくなり、その一部は学習不可能になる。著者はこの障壁を特徴づけ、信頼できる単一量子ビット操作のみで、すべての普遍的ゲージ不変成分を学習できるSPAMに頑健なアルゴリズムを提示している。
注目点 ゲージ自由度の特徴づけとSPAMに頑健な学習アルゴリズムを提示し、理論的境界と証明が明確で、開放量子系の特性評価に実質的な進展をもたらす。
Steven T Flammia, Savar D Sinha, Yu Tong
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quant-ph · physics.optics 2026年9月28日
説明 時分割多重フォトニック量子リザーバのための厳密な多項式タスク・リスク橋渡し
要約 時分割多重(TDM)フォトニックリザーバは、少数のデータセットでの得点によって評価されることが多く、チップ全体の性能をあまり示しません。また、候補回路を列挙して一つずつシミュレーションする設計方法は非効率です。本論文は、データ変調ゲートまたは光源とリッジ読み出しを持つ時間展開型の受動線形ネットワークについて、タスクから予測リスクへの厳密な関係を、特徴量、符号化、読み出しの三段階で導いています。著者らは七つのデータセットで、すべての厳密な主張が機械精度で確認されたと報告しています。
Yuqi Zhang, Tianyu Zhou, Yilun Jiang ほか
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quant-ph · cs.CC 2026年9月28日
説明 Clifford テンプレートコンパイルの計算量:量子コンピュータは量子回路のコンパイルに役立つか?
要約 本論文は Clifford テンプレートのコンパイル問題を扱う。反復可能な Clifford 操作の各繰り返し回数をどう選べば、テンプレートが目標とする Pauli 演算子の変換を実現できるかが問題である。原文によれば、指数に制限がない可換テンプレートでは可解性は NP∩BQP に属し、量子アルゴリズムで解を構成できる。指数を {0,1} に制限すると可解性判定は NP 完全になる。自己逆元の可換な場合、二値の可解性は古典的に多項式時間で解けるが、総繰り返し回数に上限を課すと NP 完全になる。
Keisuke Fujii
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quant-ph · gr-qc · physics.soc-ph 2026年9月28日
説明 カルダシェフ尺度とバロー尺度に基づく文明の技術能力尺度
要約 本論文は、文明が毎秒実行できる制御操作の数で文明を順位付ける技術能力尺度を提案する。制御操作とは、物質の二値自由度を以前の状態に関係なく指定値に設定することを指す。構成子理論に基づき、構成を情報媒体上の処理・記憶・伝送という特殊事例に分類している。指標Ξ=K+Bは、カルダシェフ指数Kに、操作あたりのエネルギーで測る効率指数Bを加えたものである。人類の現状はK=0.73、B=-0.78と見積もられ、Ξ=7.58の究極的技術も記述されている。
Volkan Gurses
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cond-mat.dis-nn · math-ph · math.MP 2026年9月28日
説明 非エルミート乱数行列における複素間隔比の厳密な確率分布
要約 本論文は、参照固有値から最近接および次近接固有値までの複素変位の比である複素間隔比を扱い、開放量子系のスペクトル相関と非可積分性の診断に用いられることを示しています。厳密な同時固有値確率密度から出発し、AI†およびAII†クラスの非エルミート乱数行列に対し、有限Nでの分布を導出しています。AII†クラスでは任意のNに対する厳密な代数式を得て、N=3〜6の分布と代表的なモーメントを評価しています。AI†クラスではN=3の正規化された一次元積分表示を導出し、漸近挙動を解析したうえで、数値対角化によって結果を確認しています。
Kohei Kawabata
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 陽電子素のレーザー減速・冷却・捕獲に関する数値研究
要約 本論文は、シリカマイクロチャネル標的で生成された高速オルトポジトロニウム(Ps)バンチを、Surkoトラップ由来の陽電子バンチから作り、レーザーで減速・冷却・光学的に捕獲する過程を数値的に調べたものです。標準的なドップラー冷却の配置で1³S–2³P遷移を用いると、減速・冷却・最終的な光学捕獲が同時に可能だと示されています。2³P–3³D遷移の横方向レーザーとゼーマン副準位全体を考慮すると、タイミングと最終温度が改善されるとしています。必要なレーザーは、約100ナノ秒・ミリジュール級のパルスで、現在の技術の範囲内だと述べられています。
Barna Mendei, Helmut Ritsch
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 量子ビット数に制限のあるハードウェアでのノイズ注入による大規模IQP量子回路ボルンマシンの実装
要約 瞬時量子多項式(IQP)回路で構成される量子回路ボルンマシン(QCBM)は、損失関数を古典計算機で効率よく推定できる一方、推論には量子コンピュータが必要です。本論文では、論理レベルでノイズを注入して元の回路を小さなクラスターに確率的に分解し、量子ビット数の限られたプロセッサでサンプリングする配置手法を提案します。さらに、既知のノイズの多い量子ビットを軽量に再サンプリングして誤差の影響を緩和します。数値シミュレーションとIBM Heronでの実験(316量子ビットの回路を156量子ビットのハードウェアに配置)により、この緩和が経験分布と目標分布の類似性を高めることが示されました。また、単一量子ビットの周辺分布が正確な古典的ベースラインより、相関構造をより正確に保持します。
Ju-Young Ryu, Wooyeong Song, Kwangil Bae ほか
★★★★☆ 注目
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 弱相互作用フェルミオンのギブス状態はガウス混合であり古典的にシミュレート可能
要約 本論文は、相互作用が十分に弱い場合、局所的フェルミオン・ハミルトニアンのギブス状態(任意の有限温度・任意の空間次元)がフェルミオン・ガウス状態の凸混合として表せることを厳密に示している。この構造に基づき、葉がガウス状態である木上のMetropolis更新により、ギブス状態を生成する多項式時間の古典的サンプラーを構築している。
注目点 弱相互作用フェルミ系のGibbs状態がガウス状態の凸混合であることを厳密に示し、多項式時間の古典サンプラーを構成している。
Zhengyi Han, Yuanchen Zhao, Zi-Wen Liu
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 オーバーラップギャップ性:量子近似最適化と量子インスパイア型アルゴリズムの違いを示す研究
要約 本論文は、量子近似最適化アルゴリズム(QAOA)の古典的な量子インスパイア型版である平均場近似最適化アルゴリズム(MF-AOA)が、オーバーラップギャップ性(OGP)を示す問題に対して任意に最適に近い解を与えられないことを証明しています。その根拠として、MF-AOAを有限記憶の近似メッセージパッシング(AMP)アルゴリズムと関連付けています。Max-4-XORSATのOGPを示す事例での数値シミュレーションでは、QAOAがこの障壁を越えられることが示されています。
Mark Goh, Thorge M\"uller
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 アドレス可能な横断Tゲートを持つ漸近的に良い量子符号
要約 本論文は、定数レートと線形距離を持ち、完全にアドレス可能な横断Tゲートを備えた二値CSS量子符号の族を構成している。指定された論理Tべきのテンソル積は、後続の訂正なしに物理Tべきのテンソル積によって直接実現される。構成は代数幾何符号と適切な二値埋め込み(binary embedding)を組み合わせたもので、最小の二値埋め込み長の問題を仮想空間上の最小重み問題として定式化し、漸近レートと相対距離の上界の定数を数値的に改善している。
Tongyin Lin, Bujiao Wu, and Bin Cheng
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 量子相関関数を精度よく、誤差の上限つきで近似する手法
要約 非可積分量子系の多体ダイナミクスを扱う論文で、無限温度での相関関数について、計算可能な有限サイズ領域の中で全体のダイナミクスを近似する際の厳密な誤差上限を導出しています。自己相関に適用すると、一次元系を含む幅広い系で高い精度を示します。さらに、他の近似手法にも厳密な誤差上限を与えられることを、行列積演算子シミュレーションを例に示しています。
Alexander van Lomwel, Florian Mintert
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 量子から古典へ:散逸スピン動力学におけるLLG方程式の導出
要約 ランダウ・リフシッツ・ギルバート(LLG)方程式は、散逸する磁化ダイナミクスを記述する基本的な方程式です。本論文では、量子LLG(QLLG)方程式の古典的な大スピン極限としてLLG方程式を導き、相互作用するスピン系に対して数値的に検証しています。さらに、ハミルトニアンに含まれるスピン数が多い系ほど量子効果が目立たなくなると結論づけています。
Alireza Ataei, Leila Ataei, Olle Eriksson ほか
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 単純な源から量子優位へ:相対復号による準同型多項式トランスダクション
要約 本論文は、復号量子干渉(DQI)とそのハミルトニアン拡張(HDQI)を、代数準同型による量子状態トランスダクションとして再定式化している。次数Dの多項式の演算子状態を、源ハミルトニアンから目標ハミルトニアンの対応する多項式状態へ転送する手法である。相対距離が2Dを超えることは、次数Dの多項式間の内積をすべて保存することと同値であることを証明している。非線形な組合せ最適化問題では、相対復号による理想的な量子スコアは0.643で、最良の古典的ヒューリスティックの0.606を上回ったと報告している。
Zhong-Xia Shang, Daniel Stilck Fran\c{c}a
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 退相による増強を受けた量子ニューロンのフィッシャー情報速度の古典的上界
要約 本論文は、部分リセット更新と反復射影測定による読み出しを行う単一量子ビットの散逸型量子ニューロンを扱います。閾値付近での情報速度の厳密な局所フィッシャー情報量と上界 ν(1-s)(1+s)²/2 ≤ 16ν/27 を導出しています。理想的な読み出しの最適化では、この上界は量子コヒーレンスによって高まらず、古典的な二状態ジャンプ過程で達成されることを示しています。
Peng Wang, Yu-Xuan Zhang, Hai-Tao Ding ほか
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 Grover アルゴリズムを用いた量子計算強化センシングの実験的実証
要約 本論文は、大きな検出帯域内で未知周波数の信号を検出する能力を高めるため、Grover 探索アルゴリズムを転用する理論提案を実験で検証したものです。実験は単一の超伝導量子ビットと単一の超伝導共振器を結合した系で行われました。検出帯域が 10 MHz を超えると、Grover ベースの手法は非 Grover の基準手法を上回り、その優位性は帯域の増加とともに超線形に拡大しました。大きな帯域と高い検出精度を求める場合、必要な信号量は 10 倍以上削減されました。
Mathieu Ouellet, Purnendu Sen, Xiangqin Wang ほか
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 キラル分子の高回転状態における鏡像異性体選択的ポンピング
要約 本論文は、キラル分子の J=1 と J=2 の回転状態を対象とした鏡像異性体選択的状態移行の方式を提案している。3本の直線偏光マイクロ波場と1本のレーザー光でポンピングを行い、一方の鏡像異性体を部分準位内の鏡像異性体選択的暗状態へ送り、もう一方は散逸的に系外へ排出する。著者らは、この戦略がより高い角運動量の回転状態にも拡張できるとしている。
Fen Zou, Yan Gao, Peng Zhang
arXiv
quant-ph · cs.LG 2026年9月28日
説明 ニューラル事後推定によるシミュレーションベースの量子系推論
要約 本論文は、ヒルベルト空間が指数的に大きいために尤度の計算が困難な量子系のパラメータ推論に対し、古典シミュレーションデータから直接事後分布を学習する尤度不要の枠組みを提案しています。多項式コストの古典シミュレータ(Pauli伝播やテンソルネットワークなど)と正規化フローなどのニューラル密度推定器を組み合わせ、一度学習したモデルで新たな測定記録から一回の順伝播で事後分布を得ます。Pauliノイズ学習、量子誤り緩和、量子状態トモグラフィ、ハミルトニアン学習で数値的に検証され、事後の不確実性は非識別性の診断にも用いられるとしています。
Hang Zou, Anton Frisk Kockum, Martin Rahm ほか
★★★★☆ 注目
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 準備文脈性の全か無かによる操作的な実証
要約 本論文は、パリティに無関心な隠れマッチング課題を導入し、準備文脈性を操作的に示す。量子プロトコルは ⌈log₂n⌉ 量子ビットのメッセージ一つで、この課題を確実に成功させる。任意の偶数 n≥6 について、準備非文脈モデルは完全な成功率を達成できないことを証明している。
注目点 パリティ無関係な隐れマッチング課題を提案し、準備文脈性の全か無かの表現を与える。超収縮を用いた漸近界で証明は堅実。
Jayashree Karmakar, Rafiuddin Gazi, Biswadeep Chatterjee ほか
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 振幅減衰を受ける桶リレー型量子ランダムアクセスメモリの、予測可能な分岐進化による古典シミュレーション
要約 ノイズ下の桶リレー型量子ランダムアクセスメモリ(QRAM)を古典計算で模擬する手法を扱う論文です。ノイズの履歴をサンプリングし、どの故障にも触れない良い分岐は最終状態を解析的に予測できるため、剪定によって計算を大幅に高速化します。振幅減衰チャネルについて、qutritとqubitの両符号化を完全に分析し、qubit符号化の剪定基準を修正しました。坏分岐と一つの参照分岐だけを進化させ、最大285倍の高速化が検証されています。
Zhao-Yun Chen, Ming-Yang Tan, Sheng Zhang ほか
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 揺らぎで制御される量子源による二準位系の方向性ポンピング
要約 古典的な共鳴場では二準位系は飽和するだけで、方向性のある占有数移動は起きないという問題を扱う。著者らは励起源を量子部分系として残し、後で跡をとる手法を用い、源の二次モーメントから上向きと下向きの散逸チャネルが生じることを示す。数対角で完全励起された源では上向きチャネルだけが残り、標的系の単調なポンピングが起こる。源の相関が指数関数的に減衰する場合、ポンピング速度は相関時間に依存するローレンツ型の離調依存性を示し、熱緩和がある場合は定常励起状態占有率が二分の一を超えうる。
Sarfraj Fency, Rangeet Bhattacharyya
arXiv
quant-ph · cond-mat.stat-mech 2026年9月28日
説明 統計系の相関の尺度:量子・古典、平衡・非平衡のいずれにも適用できる相関指数の提案
要約 本論文は、統計系の相関を測る「相関指数(correlation index)」という尺度を提案している。量子系と古典系、平衡系と非平衡系のいずれにも適用できる一般的な尺度である。任意のトレースクラス作用素に対して相関指数を定式化し、密度作用素と約化密度行列の例で計算を示す。平衡系では、ボース=アインシュタイン凝縮を含むボース系、超伝導系、スピン系について計算例を挙げる。非平衡系では、スピン系と擬スピン系の非線形動力学における相関指数を扱う。
V.I. Yukalov, E.P. Yukalova
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 ガウス的視点からの一般的光子減算:ガウスぼかしとフィルタで光子減算ガウス状態を記述し、キャット状態・三次位相状態・GKP状態の生成を改善する論文。
要約 本論文は、測定されたFock Wigner関数にガウスぼかしとフィルタを適用する数学的形式により、一般的な光子減算ガウス状態を記述する。この表現では、初期スクイージング、ガウス測定、光子損失をすべて全体のぼかしへの寄与として扱える。著者らは成功確率、フィードフォワードとの適合性、損失耐性の間で妥協することで、キャット状態、三次位相状態、GKP状態の生成を改善できることを示す。さらに、非ガウス性の加法的単調量として期待Wigner対数負性を導入し、目標状態をほぼ確定的に生成するために必要な資源の一般的な下界を示す。
Niklas Budinger, Ulrik L. Andersen, Peter van Loock
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 ガウス分解による連続変数・離散変数ハイブリッド量子回路の効率的シミュレーション
要約 本論文は、連続変数(CV)と離散変数(DV)を組み合わせたハイブリッド量子系を古典計算機で模擬する枠組みを提案する。ハイブリッド密度行列をDV基底でブロックに分け、各ブロックをガウス関数の線形結合(LCoG)で表現する。受控ガウス操作による複素ガウス関数の変換の解析式や、状態依存ガウス雑音を持つ受控ガウスチャネルへの拡張も示される。CV部分のFock空間切り捨てを必要とせず、例としてキャビティQED系におけるGKP状態生成をシミュレーションしている。
Kazufumi Tanji, Dot Belin Pio, Shohei Kiryu ほか
arXiv
quant-ph · physics.atom-ph 2026年9月28日
説明 捕捉イオン振動子による三次位相ゲートの実現
要約 本論文は、捕捉イオンの運動モードを用いて連続変数量子計算に必要な三次位相ゲートを近似する手法を実験的に示したものです。状態依存の力パルスの位相と振幅を数値最適化し、真空状態および低振幅のコヒーレント状態入力に対して性能を検証しています。この手法は他の非線形ユニタリ操作の近似にも拡張可能であると述べられています。
Nigel Benjamin Lee Junsheng, Eugene Koh Jun Wei, Mu Young Kim ほか
★★★★☆ 注目
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 対数ユークリッド型レーニ条件付き相互情報量:量子条件独立性の新しい尺度
要約 本論文は、量子系間の条件付き独立性を測る量子レーニ条件付き相互情報量を提案している。この量は局所量子チャネルに対して単調で、テンソル積に対して加法的であり、レーニパラメータに関しても単調である。パラメータが1に近づくと量子条件付き相互情報量に収束する。さらにPetz回復状態に基づく上界・下界と、レーニ連鎖律を導いている。
注目点 望ましい構造的性質をすべて満たす量子Rényi条件付き相互情報を提案し、QCMIの回復型上下界を改善した。
Roberto Rubboli, Amir Arqand, Mark M. Wilde
★★★★★ 注目
arXiv
quant-ph · cs.CC 2026年9月28日
説明 深さ最適な量子コンパイル:定数深さの回路で任意の一量子ビットゲートを合成
要約 任意の一量子ビットゲートの合成について、補助触媒を必要とせず完全にユニタリな、初の定数深さ回路の構成を示した。有界幅のゲートモデルでは深さ O(log log(1/ε)) を達成し、対応する Ω(log log(1/ε)) の下界も証明している。さらに、Hadamard、T、一般化 Toffoli ゲートのみで定数深さ合成が可能であることや、浅い量子回路の計算量に関する新たな構造も述べられている。
注目点 任意の単一量子ビットゲート合成に対する初の定数深度回路を与え、有界幅ゲートでΘ(log log(1/ε))深度が不可避であることを証明した点で新規性が高い。
Francisca Vasconcelos
arXiv
quant-ph · cond-mat.mes-hall · nlin.CD 2026年9月28日
説明 開放系統デジタル量子シミュレーションにおけるTrotter化閾値と散逸性量子カオス
要約 本論文は、デジタル量子シミュレーションにおけるTrotter化のステップ幅の閾値を、環境ノイズやデコヒーレンスを含む開放系モデルで検討しています。閾値を超えるとシミュレーション精度が突然崩壊することを示し、ランダム行列理論に基づく統計手法で閾値以降の量子カオスを特徴づけています。さらに、散逸が真に散逸的な振る舞いを生むほど強く、かつ内在するユニタリな混沌構造を抑えない程度である必要があると述べています。
Angsar Manatuly, Lukas M. Sieberer, Cahit Kargi ほか
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 乳がん診断のための変分量子分類器における量子もつれ
要約 本研究は、3量子ビットの変分量子分類器(VQC)の「もつれ」構造の違いが、ウィスコンシン乳がん診断データセット(WDBC)での性能にどう関係するかを調べたものです。もつれのエントロピーが高い構成ほど精度とF1スコアがわずかに高く、交差検証の各分割でも最も安定していました。ただし、もつれと性能の相関は有意ではなく、因果関係は証明されていないと著者は述べています。
Zineb Hazmoun, Zoubida Sakhi, Mohamed Bennai
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 マイクロ秒でプログラム可能な合成量子物質:断熱的ボトルネックを回避したハイゼンベルク限界計測
要約 本論文は、単一キャビティのボーズ・アインシュタイン凝縮体において、高速な回転と位相ジャンプによって元の縦方向結合から有効な二軸ツイスティング(TAT)相互作用を動的に合成する非断熱フロケ方式を提案し、断熱方式の遅い動力学とデコヒーレンスの制約を回避することを目指している。厳密な有限状態オートマトン型MPO符号化によりDMRGとTDVPの大規模シミュレーションを行い、N=10^3のアンサンブルで急速にハイゼンベルク限界のスピン圧縮が生じることを示した。唯象論的モデルによれば最適な取り出し時刻は約3.26マイクロ秒である。
Soi-Chan Lei
★★★★☆ 注目
arXiv
quant-ph · cs.CC · cs.DS 2026年9月28日
説明 k局所ハミルトニアンの低エネルギー状態密度に関するほぼ最適な上界・下界と、より高速な量子アルゴリズム
要約 本論文は、一般的なk局所ハミルトニアン(k-local Hamiltonians)の低エネルギー推定と状態準備という、量子計算量理論の基本問題を扱っています。二元エントロピー関数が実行時間の指数を決定する、より高速な指数時間量子アルゴリズムを提示しています。主要な技術的結果は、基底状態を脱分極させることで得られる、ハミルトニアンの低エネルギー部分空間の次元に関するエントロピーに依存する下界です。固定されたkについて、この下界は指数の定数倍の範囲で最適とされています。
注目点 エントロピーで制御される低エネルギー部分空間の次元下界により、指数項を改善し、固定kで近最適な結果を示している。
Sevag Gharibian, Fran\c{c}ois Le Gall, Ranitha Mataraarachchi ほか
arXiv
quant-ph · cs.IT · math.IT 2026年9月28日
説明 非対称局所回復可能な量子符号のエンタングルメント支援構成
要約 本論文は、ビット反転と位相反転の誤りに異なる局所性パラメータを与える、エンタングルメント支援型の量子局所回復可能符号を提案する。物理ノイズは両者で非対称なことが多いため、この設定が動機づけられている。著者らはスタビライザーによる十分条件を拡張し、CSS枠組みでは二つの古典符号に別々の局所性条件を課すことで性質を特徴づけている。さらに、Singleton型などの各種限界式を導き、等号が成り立つ条件を明らかにしている。
Vijay Kumar, Ramakrishna Bandi
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 閉じ込められたキラルモードの励起ギャップによる臨界零点揺らぎの測定
要約 本論文は、量子Rabiリングにおける一様および手性超放射境界が交わる領域のギャップを研究しています。ギャップは一様零点分散と原子-キャビティ周波数比ηに比例し、ηの-2/3乗で閉じ、分散はηの1/3乗で増加することを示しています。四次シュレーディンガー方程式が完全なスピン-光子対角化と一致することが確認され、Dzyaloshinskii-Moriya交換を持つ自己スピン三角形系でも同様の関係が議論されています。
Shu He, Liwei Duan
arXiv
math-ph · math.MP · quant-ph 2026年9月28日
説明 連続系フェルミオン力学の不連続性
要約 本論文は、対ポテンシャルを通じて相互作用する\(\mathbb{R}^d\)上の連続系フェルミオンのハイゼンベルグ力学を研究している。非定数の対ポテンシャルの大きなクラスに対し、分散関係と外部ポテンシャルに適切な仮定を置くと、この力学はゲージ不変CAR代数上でも点ごとのノルム連続性を持たないことを示す。さらに自動連続性の議論により、CAR代数とそのゲージ不変部分代数は、ほぼすべての時刻において力学のもとで不変ではないことが示される。
Oliver Siebert
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 量子Rabiモデルにおけるトポロジカル欠陥状態の観測
要約 本研究では、単一の捕獲された171Yb+イオンを用いて、量子Rabiモデル(スピンと振動子の結合系)でトポロジカル欠陥状態を実現しています。結合位相を変化させて再構成した位相空間分布から、2つの領域で重心軌跡の巻き数がそれぞれ1と0となることが示され、離散格子のトポロジーと振動子の連続的な位置・運動量空間の幾何を結び付けています。駆動振幅変調に対するスピン応答の測定では、スピン偏極の安定性がエネルギーギャップおよび許容遷移と関係することも示されています。
Kyungmin Lee, Jiyong Kang, Sunkyu Yu ほか
arXiv
quant-ph · physics.app-ph 2026年9月28日
説明 ブラッグ鏡と反ブラッグ鏡によるキャビティ磁気学と連続体束縛状態
要約 本論文は、導波路に結合した周期的な共振体(強磁性球)配列を鏡として用い、二つの鏡で形成される共振器に現れる連続体束縛状態(BIC)を実験的に示したものである。ブラッグ型と反ブラッグ型の二種類の共振器を実現し、暗い超モードと探針磁子との結合による分裂を観測している。また探針球を動かすことで、共振器内の場の位置依存測定を行っている。
B.-Y. Wu, K.-P. Li, G. Chen ほか
arXiv
quant-ph · physics.atom-ph 2026年9月28日
説明 各向異性量子Rabiモデルにおける、局在した体状態の中のトポロジカル端状態の観測
要約 本研究は、イオントラップ型量子シミュレータを用いて、各向異性量子Rabiモデルのトポロジカル端状態と体状態を調べたものです。結合の強さが格子サイトに応じて変化するため並進対称性が破れ、体状態も端状態も局在するので、空間的な局在性だけでは両者を区別できません。研究では、端状態が確定したキラリティーと、ほぼ完全なスピン・ボソン分離性を示す一方、体状態にはこの特徴がないことがわかりました。位相空間トモグラフィーにより、端状態のボソン成分は最大6.45 dBの圧縮を持つ圧縮真空状態であることも明らかになりました。
Sungjoo Lim, Chanyang Im, Christopher G. Yale ほか
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 順序探索のための最適量子アルゴリズム
要約 順序探索とは、サイズnのソート済みリストから比較クエリによって目標要素を見つける問題です。本論文は、クエリ回数が最適な(1/π)ln n+o(log n)となる新しい量子アルゴリズムを2つ示しています。1つ目は連続緩和問題から導かれた誤りゼロのアルゴリズム、2つ目はFarhi、Goldstone、Gutmann、Sipserによる多項式プログラムの解析解に基づく厳密なアルゴリズムです。
Joseph Carolan, Andrew M. Childs
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 スペクトルから最大シュミット数を判定する閾値
要約 本論文は、C^d⊗C^d 上の量子状態のスペクトルだけで、そのシュミット数が最大でないことが保証される条件を研究する。(d-1)ブロック正作用素のスペクトル上界を導き、p≤⌊d²/2⌋ のとき、最大固有値が最小の p 個の固有値の和以下となる状態の集合(LS_p)が、任意の大域的ユニタリ変換の下でシュミット数が d-1 以下に留まる状態の集合(ASN_{d-1})に含まれることを示す。最大固有値のみを用いる簡単な十分条件も得られる。また、任意の大域的ユニタリ下で還元判定基準を満たす状態は ASN_{d-1} に属することを示す。一方、d≥3 では両部分系で還元判定基準を満たしながらシュミット数が最大となる状態を構成し、大域的ユニタリの条件が本質的であることを示している。(Schmidt number: シュミット数)
Junhyeong An, Soojoon Lee
arXiv
quant-ph · cs.IT · math.IT 2026年9月28日
説明 非シグナリング支援チャネルシミュレーションにおけるレニーチャネル容量の単調性
要約 本論文は、送信者と受信者が共有する非シグナリング相関が古典チャネルのレニー(Rényi)容量を増加させ得ないことを、別の変分的証明で示す。この単調性は、Oufkir、Yao、Berta によるチャネル発散のデータ処理不等式から導かれる。著者らはルジャンドル変換を用いて容量をアフィン汎関数族の極値として表し、シャノン容量と端点次数の別個の議論と合わせて、次数0から無限大までの単調性を導く。さらに、符号化指数関数への帰結も述べられている。
Tina Shariat, Matt Hoogsteder-Riera, Marco Tomamichel
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 超伝導量子ビット対の動的デチューニング制御を用いた有効Λ型系における量子メモリ
要約 本論文は、半無限伝送線路に結合し半波長だけ離して配置された一対の可変超伝導量子ビットによる量子光の蓄積を理論的に調べたものです。量子ビット間の周波数デチューニングにより、超放射励起状態と亜放射準安定状態が結合して有効Λ型系が形成されます。デチューニングを動的に制御することで、入射量子場を亜放射集団状態に写像して長寿命の励起として保存し、必要に応じて読み出せることが示されています。著者らは、この系がスケーラブルな超伝導量子ネットワーク向けの最小限で調整可能な量子メモリ構造になると述べています。
Hsin Chang, Kai-I Chu, Ite A. Yu ほか
arXiv
quant-ph · math-ph · math.CT 2026年9月28日
説明 中山による量子トポスの縮約とベイズ量子計算
要約 中山による、Döring-Isham量子トポス理論における文脈を制限する方法を紹介する論文です。この制限と確率の定義を、位相の一つの選択として統一しています。著者は、データが得られるにつれて確率が変化するというベイズ的な見方をこの統一が支えることを説明し、その変化を予測理論の適用範囲の局所的なずれとして記述して量子計算に適用しています。
Atsuhide Mori
★★★★☆ 注目
arXiv
math-ph · cond-mat.stat-mech · cond-mat.str-el 2026年9月28日
説明 U(1)⋊Z₂対称量子スピン鎖のトポロジカル指標の同値性
要約 本論文は、格子上のU(1)⋊Z₂対称性を持つ整数スピン量子鎖における対称性保護トポロジカル相を扱い、Ogataの作用素代数的指標とTasakiの基本ツイスト指標が同値であることを示す。半鎖回転の強極限構成と厳密な誤差評価を与え、ギャップの下限と基底状態期待値が得られれば指標を計算できる式を提供する。さらに、この結果と既存の境界場ギャップ定理、ツイスト指標の計算を組み合わせ、無限長S=1反強磁性ハイゼンベルク鎖の基底状態について両指標が−1になることを導いている。
注目点 U(1)⋊Z2対称スピン鎖における二つの位相指数の同値性を示し、明示的な誤差評価を与えた。数学物理として実質的な新結果だが、適用範囲は限定的である。
Hal Tasaki
arXiv
physics.optics · quant-ph 2026年9月28日
説明 偏光もつれ合いベル状態生成のためのテンソル工学的ファンデルワールス NbOCl2 共鳴メタサーフェス
要約 本論文は、NbOCl2 というファンデルワールス非線形材料に基づく共鳴メタサーフェスを提案し、その光学的異方性を利用して偏光依存の非線形応答を制御する。共鳴モードを調整することで c 軸方向の非線形応答が約 3 桁増強され、直交する偏光チャネル間で二次非線形感受率テンソルが再配分される。この手法により、測定忠実度最大 92% の偏光もつれ光子対の生成が実現された。
Xin Zeng, Wenna Du, Yun-Kun Wu ほか
arXiv
cond-mat.mtrl-sci · cond-mat.dis-nn · physics.chem-ph 2026年9月28日
説明 機械学習交換相関汎関数Skalaの CP2K へのネイティブ実装:分子系と凝縮相計算のための統一的一中心再構成
要約 本論文は、CP2K の GPW および GAPW 法に機械学習による交換相関汎関数 Skala をネイティブに実装したものです。汎関数評価の前に密度、密度勾配、運動エネルギー密度を一中心で再構成し、混合勾配項と非局所結合を保持します。結晶 CO2、NH3、尿素では、全電子 Skala-D3(BJ) 計算が拡散モンテカルロ法に対し平均絶対誤差 1.54 kJ/mol を示し、DMC-ICE13 の 13 相では絶対格子エネルギーの誤差が 1.16 kJ/mol でした。一方、LC10 ベンチマークでは平衡格子定数が系統的に過小評価され、構造的な過結合が示唆されています。
Johann Pototschnig, Franz P\"oschel, J\"urg Hutter ほか
arXiv
quant-ph · cs.AR 2026年9月28日
説明 QBX:量子チップレット向け2局所量子ビット・ハミルトニアン・シミュレーション用コンパイラ
要約 本論文は、量子チップレットアーキテクチャ上での2局所量子ビット・ハミルトニアン・シミュレーションのために設計された、初の量子コンパイラQBXを提案している。スケーラブルな階層的手法により、チップレット間通信の回数と距離を削減し、遠距離量子ビット通信のためのハイウェイ機構(highway mechanism)を組み込んでいる。評価では、QBXが回路深度と操作数において汎用コンパイラおよびドメイン特化型コンパイラを上回り、より大規模なシミュレーションにも拡張できることが示されている。
Zikun Li, Zhuoming Chen, Zhihao Jia
arXiv
quant-ph · cond-mat.dis-nn · cond-mat.stat-mech 2026年9月28日
説明 量子アニーリングの誤りをキャビティへ入れ替える(キャビティ量子アニーリング)
要約 量子アニーリングは、途中でエネルギーギャップが小さくなると速度が落ち、そこで生じる誤りは検出されないという課題がある。本研究では、ギャップより十分大きい周波数のキャビティモードをスケジュールの途中で結合させ、これらの誤りを光子に入れ替える「キャビティ量子アニーリング」を提案する。p-スピンモデルでは、キャビティがない場合に比べて必要な時間がおよそその平方根まで短縮される。また光子数を数えることで結果を確認でき、高光子数の実行では基底状態忠実度99.99%超にはるかに早く到達する。
Hao Zhang
★★★★★ 注目
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 量子符号の距離近似の困難性:√N を超える下界
要約 本論文は安定化符号の最小距離を近似計算する計算複雑性を研究している。従来の帰着では加法的ギャップが O(√N) にとどまっていたが、本論文は線形ギャップまで引き上げ、NP⊆coRP でない限り乱択アルゴリズムは線形の加法誤差で距離を近似できないことを示す。さらに細粒度の解析も行い、SETH および Gap-ETH に関連する時間の下界を与えている。
注目点 量子符号距離の近似における加法的ギャップをO(√N)から線形へ改善し、細粒度複雑性の下界を初めて与えた。理論的改善は大きく、証明も厳密。
Upendra Kapshikar
arXiv
quant-ph · physics.chem-ph · physics.comp-ph 2026年9月28日
説明 量子コンピュータ向け自己無撞着Kohn-Sham DFT:平面波直交化軌道と二重基底量子固有値ソルバー
要約 量子コンピュータ向けの全電子・全ポテンシャルのKohn-Sham密度汎関数理論の手法を提案します。自己無撞着場の固有値問題を、古典的に最適化された量子回路の固有値ソルバーで解きます。平面波と、それらに直交化された原子軌道を組み合わせた基底を用い、収縮基底で各ステップを解きます。H8鎖の状態ベクトル模擬では古典計算と0.02 mHa以内で一致し、IonQ Forte-1での3量子ビットレジスタの読み出しは無ノイズの能量差と1標準偏差以内で再現されました。
Lazaro Calderin
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 構造化光による Hong-Ou-Mandel 干渉の非線形制御:ポンプ光の対称性で二光子の干渉の仕方を調整する
要約 Hong-Ou-Mandel 干渉計に入った二光子は、その状態の対称性に応じてバンチングまたはアンチバンチングを起こし、強め合い・打ち消し合いの干渉が生じます。本研究では、自発パラメトリック下方変換のポンプ光を構造化して、Hermite-Gaussian 基と Laguerre-Gaussian 基で回転する構造化光モードを用い、ポンプ光のパリティが強め合いから打ち消し合いへの転移の形状と周波数に影響することを理論・実験の両面で示しています。Hermite-Gaussian の場合はモード次数が増すと感度が高まり、Laguerre-Gaussian の場合は軌道角運動量の量に比例する整数倍の角度分解能向上が報告されています。Hong-Ou-Mandel 干渉を用いた回転センシングへの応用可能性が示されています。
Simon Darveau, Bienvenu Ndagano
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 ラマン結合キャビティQED系における光子統計の動的制御
要約 本論文は、量子干渉によって光子統計をバンチングとアンチバンチングの間で動的に切り替える方式を提案している。帯域幅増幅を伴うラマン結合キャビティ・原子系を用い、中間状態のデチューニングを時間変調することで、光子ブロッケードを深めるか光子バンチングを強めることができる。キャビティと中間状態のデチューニングを同時に変調すると、静的条件や片方のみの変調では得られない反バンチングが生じ、その再出現間隔は変調周波数で決まる。
Amir Rahmani, Alireza Dehghani
★★★★☆ 注目
arXiv
quant-ph · math-ph · math.MP 2026年9月28日
説明 量子データ処理の等式:量子データ処理不等式を等式に高める論文
要約 本論文は、量子チャネルのもとで量子相対エントロピーが単調非増加であるという量子データ処理不等式を、複素ストリップ上の境界および曲面のポアソン積分表示によって厳密な等式へと発展させたものです。相対エントロピーの損失は、状態の再構成可能性を支配するPetz回復成分と、相対モジュラー動力学のずれを測る境界項という、二つの非負の機構に分解されます。さらに、所定のモジュラーパラメータにおける回復境界も確立されています。
注目点 量子データ処理不等式を境界項とPetz回復成分に分解する厳密な等式へ拡張し、理論的に大きな改良を示している。
Tai-Hsuan Yang
★★★★☆ 注目
arXiv
quant-ph · cond-mat.str-el · cs.LG 2026年9月28日
説明 自律的な相発見:微分可能プログラミングと教師なし学習で量子相を自動探索する論文
要約 本論文は、微分可能プログラミングと教師なし学習を組み合わせ、相のラベルや目標とする相を事前に与えずに量子物質の相を発見する完全自律型システムを提案している。探索は事前に定めたパラメータ格子ではなく、適応的な軌道に沿って基底状態データを評価する。最大200個の相を含む一般化クラスター鎖では、同じ予算で最大25個多くの相を見つけ、随機サンプリングの30倍の予算を与えた場合と同等の結果を示した。50パラメータのチャーン絶縁体では、ここで検討した単純な調和構成では得られない相の区間にも到達した。
注目点 微分可能プログラミングと教師なし学習を組み合わせ、一般化クラスター鎖とチャーン絶縁体で乱択サンプリングと比較して量子相探索を示し、証拠は比較的充実している。
Shiyu Zhou, Yuxuan Zhang, Sebastian Wetzel ほか
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 量子物理情報ニューラルネットワークにおける埋め込み設計の研究
要約 本論文は、座標を量子状態へ写像する埋め込み(エンベディング)が、量子物理情報ニューラルネットワーク(QPINN)に与える影響を検討しています。埋め込みを統一的な枠組みで定式化し、学習可能な埋め込みを持つLQNN-TE-QPINNと、周波数を適応的に調整するAdaFreq-QPINNの2つを提案しています。一次元と二次元のBurgers方程式で既存の手法と比較し、埋め込み設計が近似と最適化の挙動に大きく影響することを示しています。
Ban Q. Tran, Nahid Binandeh Dehaghani, Susan Mengel ほか
★★★★★ 注目
arXiv
quant-ph 2026年9月28日
説明 同時にクエリ最適となる量子線形系アルゴリズム
要約 本論文は、行列のブロック符号化オラクルと右辺ベクトルの状態準備オラクルへのクエリ数を、一つのアルゴリズムで同時に最適化できるかという未解決問題を扱います。解Sの定数倍の見積もりが与えられた場合、行列へのクエリ O(κ log(1/ε))、右辺へのクエリ O(κ/s) を同時に達成する量子アルゴリズムを示しています。さらに、両方の下界を同一のエルミート行列の事例で示し、結果が共に最適であることを証明しています。
注目点 両方の問い合わせ複雑度を同時に最適化できるかという未解決問題に答え、一致する同一インスタンス下界を厳密に示した。
Minbo Gao, Zhengfeng Ji, Chenghua Liu