暗号・セキュリティ · 2026年10月19日(月)

arXiv のセキュリティ・暗号分野(cs.CR)と IACR 暗号学プレプリント。

arXiv cs.CR · cs.NI · cs.OS

Connection Escrow: Holding AI-Agent Pod Egress in the Kernel Until an Isolated Verifier Rules

説明接続エスクロー:独立した検証者が判定するまで AI エージェント Pod の送信接続をカーネルで保留する手法

要約本論文は、コンテナ内 AI エージェントの送信 TCP 接続を、パケットが生成される前にカーネルの connect() 段階で保留する「接続エスクロー」を提案している。Pod の cgroup に装着した eBPF プログラムが接続を保留し、別コンテナの検証者が特定のソケットに対して署名付きの判定を出した場合のみ解放される。著者は 36 項目の敵対的テストと Kubernetes 環境で検証し、解放された接続あたりの中央値の追加遅延を 4.5 ミリ秒と報告している。

Ashok Subbabhatta Gopalakrishna

arXiv cs.CR

Mal-AAEGAN: Adversarial Autoencoder with Double-Critic WGAN-GP for Malware Generation

説明Mal-AAEGAN:マルウェア対抗サンプル生成のための、二重判別器 WGAN-GP を用いた敵対的オートエンコーダ

要約本論文は、機械学習ベースのマルウェア検出器が敵対的サンプルに弱いという問題を扱い、Mal-AAEGAN を提案しています。敵対的オートエンコーダで高次元の二値 API 特徴を低次元の連続潜在空間に写像し、その空間で摂動を加えるとともに、二つの判別器を備えた WGAN-GP で学習します。二つのデータセットと八つの検出器において、MalGAN、Mal-LSGAN、Mal-D2GAN と同等以上の回避率を示し、学習も安定したと報告されています。

Nam Hoang Thanh, Trung Pham Duy, Lam Bui Thu

arXiv cs.CR

Differential privacy with adjustable preservation of multivariate relationships

説明差分プライバシーにおける多変量関係の調整可能な保持手法

要約本論文はランダム化応答による差分プライバシーの下で、多変量交差モーメントの正確な減衰式を導出している。属性単位のランダム化とクロネッカー積による分布全体の表現の下では、異なる属性を含む交差モーメントは元の値に減衰パラメータを掛けたものになり、その値は各属性に割り当てられたプライバシー予算によって決まる。同じ総予算でも共分散の保持状況は大きく異なりうる。

Nicolas Ruiz

arXiv cs.CR

Exact Compilation and Resource Laws for Hidden Integer Feedback

説明隠れた整数フィードバックの厳密コンパイルと資源則

要約本論文は、ランダム化丸めの隠れた作用によって連続する整数出力のプライバシー損失が結合する問題を研究し、予測可能な符号付き単位の参加と全出力の観測を前提とする有理フィードバック機構を分析しています。有限法則の点コンパイルの厳密な結果、校正損失の単調な階層と数値的評価、物理時間と参加制約下でのKLレートと漸近フロンティアを示しています。静的ワークロードによる設計トレードオフの比較も含まれます。

Ganxuan Yang (1, 2), Siqi Wen (1 ほか

arXiv cs.CR · cs.AI · cs.LG

Reliable Estimation of Differential Privacy under Selection Bias

説明選択バイアス下での差分プライバシー推定の信頼性に関する研究

要約本論文は、差分プライバシー機構の理論的保証を検証する統計的プライバシー監査を扱います。従来の多くの監査実装では、メンバーシップ推論攻撃の実行時に選択バイアスが生じ、プライバシー漏えいの下限が統計的に無効かつ過大評価されていたことを示しています。著者らは複数の補正手法を紹介し、その利点を比較するとともに、既存の監査結果を再分析しています。補正を行わない場合、これらの監査は宣言された信頼水準が示す頻度の最大4倍も理論的上限を違反していました。補正後の下限は統計的に有効であり、違反の発生率は名目水準を超えないとしています。

Valentin Dorseuil (DI-ENS), Meenatchi Sundaram Muthu Selva Annamalai (UCL), Jamal Atif (CMAP) ほか

★★★★★ 注目
arXiv cs.CR · cs.AI

Fake News, Real Crashes: Information Injection Attacks on LLM Financial Trading Agents

説明偽ニュース、現実の暴落:LLM金融取引エージェントへの情報注入攻撃

要約本論文は、実資金で取引する大規模言語モデル(LLM)エージェントに対し、捏造されたニュースなどの情報注入がどのように誤判断を招くかを体系的に評価する攻撃ベンチマークを提案しています。15銘柄の米国株、約10,000件の意思決定で、5種類の注入経路と7種類のイベントカテゴリを検証しています。多くの攻撃は一般的な防御をすり抜け、階層的な集約だけが攻撃成功率を下げることが示されています。

注目点LLM取引エージェントへの情報注入攻撃ベンチマークを提案し、約1万回の意思決定で検証、事実汚染など新たな現象を示し、影響は広い。

Mengxiao Wang, Nitesh Saxena

arXiv cs.CR · cs.MM

Temporal Dynamics and Security Assessment of SRT Protocol: A 96-Day Longitudinal Analysis of Production Streaming Infrastructure

説明SRTプロトコルの96日間の時系列分析とセキュリティ評価:イラク−トルコ間の本番配信基盤に関する長期研究

要約本研究は、イラクとトルコの間の本番環境のストリーミング配信において、SRT(Secure Reliable Transport)プロトコルの挙動を96日間にわたり縦断的に分析したものです。伝送指標262,672件とシステムリソース測定5,033,104件を用いています。NAK(否定応答)には時間帯や日による明確な変動が見られますが、時間要因が説明する分散は4%未満です。CPU使用率が伝送指標の変動と最も強く関連しており、制御されたUDPフラッド実験では伝送指標の変化は±13%程度にとどまりました。Z値に基づく異常検知手法も提案されています。

Ahmed F. K. Koysha, Ferdi S\"onmez

IACR ePrint Attacks and cryptanalysis

Concrete LDVR Attacks with Fewer Signers

説明署名者を減らした LDVR への具体的攻撃

要約本論文は、Rodríguez García と Tessaro による低次元ベクトル表現(LDVR)問題への攻撃の具体的パラメータを改善しています。中国剰余定理による構成と多数のチャレンジに対する一般化誕生日探索を組み合わせ、Curve25519 のスカラー体上で署名者 488 人、腐敗 173 件の具体的攻撃を示しています。対角的に選ばれた評価点についても構成と問い合わせ複雑度の分析が含まれます。

Renas Bacho

★★★★☆ 注目
IACR ePrint Foundations

Near-Optimal Early Stopping with Optimal Communication

説明最適な通信量で、ほぼ最適な早期停止を実現する拜占庭合意

要約本論文は同期型拜占庭合意プロトコルにおける、ラウンド数と通信量のトレードオフを扱います。t<n/3 かつ暗号的セットアップなしの場合、通信量は最適な O(n·t) のまま、終了ラウンド数を f+O(√(f log f)) とする決定的プロトコルを提案しています。通信量をやや増やすとラウンド数は f+O(√f) まで縮小されます。t<n/2 の場合は、公開鍵基盤としきい値署名を仮定して、O(n·t·κ) ビットの通信量で f+O(√f) ラウンドを達成します。

注目点最適通信量のもとで早期停止の主係数を1に改善し劣線形の付加項を得た点は理論的に顕著で、証明も堅実。

Fatima Elsheimy, Simon Holmgaard Kamp, Julian Loss ほか

★★★★☆ 注目
IACR ePrint Implementation

CHARRM - Characterizing Hardware Leakage in the Robust Random Probing Model

説明CHARRM:堅牢なランダムプロービングモデルにおけるハードウェア漏洩の特徴づけ、マスキング実装の自動安全性検証

要約本論文は、サイドチャネル攻撃(SCA)への対策として用いられるマスキング実装を、(g, t, c)-堅牢 (p, ε)-ランダムプロービングモデルの下で効率的に検証する手法を提案しています。漏洩特性の概念を拡張し、グリッチ拡張および遷移拡張の場面で漏洩確率の上界を計算できるようにしました。さらに入力シェアの集合(SIS)関数と結びつけ、合成可能性の検証にも対応しています。IronMask との比較評価では、より大きな回路で高い性能と精度を示し、大規模な合成回路の厳密な検証を初めて可能にしたとされています。

注目点漏洩特性を堅牢なプローブ拡張に拡張しSIS関数と結び付け、IronMaskとの比較と事例で大規模回路の厳密検証を示す。

Armand Schinkel, Pascal Sasdrich

arXiv cs.CR · quant-ph

Q-MALDetect: Quantum Image-Based Malware Detection and Adversarial Robustness Analysis

説明Q-MALDetect:量子画像ベースのマルウェア検出と敵対的ロバスト性の分析

要約本論文は、x86-64 ELFバイナリをバイト画像に変換したものを対象に、畳み込みと変分量子回路を組み合わせたハイブリッド検出器Q-MALDetectを提案している。特徴空間攻撃およびGrad-CAM誘導の実行可能性を考慮した回避攻撃の下で評価を行った。訓練精度は97.2%だが、攻撃が強まるとロバスト性は低下する。評価した防御のうち、動的敵対的訓練が最も効果的だった。

Walid El Maouaki, Mohammad Izen, Nouhaila Innan ほか

arXiv cs.CR

Signature Knowledge Shielding: Protecting Antivirus Detection Knowledge through Robust Embedding Matching

説明シグネチャ知識シールディング:堅牢な埋め込みマッチングによるアンチウイルス検出知識の保護

要約アンチウイルス(AV)のシグネチャには専門家の分析で蓄積された検出知識が含まれるが、繰り返しのブラックボックス照会によって不正な再利用や標的型の回避に悪用されうる。本論文は、既存のシグネチャを補助的なシールディングシグネチャで保護するSKSを提案し、学習型マッチャーであるREM(Robust Embedding Matching)を導入する。ClamAVベースの試作では、最先端のプロービング手法の平均照会回数を保護なしの基準の最大282.57倍まで引き上げ、追加テストの誤検知率は0.1%未満、GPUスキャンのオーバーヘッドは0.67%だったと報告している。

Jieshuai Yang, Zhi Wang, Yan Jia ほか

IACR ePrint Secret-key cryptography

Privacy with Leakage from Falsifiable Assumptions

説明反証可能な仮定に基づく漏洩下のプライバシー

要約本論文は、サイドチャネル攻撃の下で対称鍵暗号のプライバシーを扱い、鍵更新過程に焦点を当てた新しいモデルと仮定を提案します。評価機関が実際に反証できる「安全な更新(secure refreshing)」という定義を、直接的な更新実験として形式化しています。さらに「強保護安全更新」を導入し、これらの仮定を用いてPSV暗号方式のプライバシーを証明しています。強保護部品が漏洩しないと仮定せずに、反証可能な仮定のみに基づく初のプライバシー証明です。

Francesco Berti, Itamar Levi

IACR ePrint Implementation

PPGA: A Framework for Privacy-Preserving Graph Algorithms using the Prepare/Propagate/Gather/Apply Paradigm

説明PPGA:Prepare/Propagate/Gather/Apply パラダイムに基づくプライバシー保護グラフアルゴリズムのフレームワーク

要約本論文は、マルチパーティ計算(MPC)でグラフアルゴリズムを実行するフレームワーク PPGA を提案しています。各クライアントはグラフの一部を、開示せずに入力できます。ユーザーは高水準のインターフェースで独自のメッセージパッシング型グラフアルゴリズムを定義できます。MultiCent の実装と比べて性能が大幅に向上し、グラフトポロジーを漏らさずに、|V|+|E|=3000万のグラフ上で BFS を23分で実行しました。

Andreas Brüggemann, Simon Brunnauer, Thomas Schneider

★★★★☆ 注目
IACR ePrint Cryptographic protocols

Firebolt: Fast, Lightweight, Malicious Non-Interactive Vector-OLE

説明Firebolt:高速・軽量・悪意ある参加者に耐える非対話型ベクトルOLE

要約本論文は、Paillier暗号に基づく半正直モデルの非対話型VOLE(ベクトル不経由線形評価)を発展させ、悪意ある参加者に対しても安全な新しいVOLEプロトコルを提案します。各VOLE要素の通信量は535バイト、1当事者あたりの計算は単一スレッドで約5ミリ秒とされています。これを用いて、two-round two-party ECDSAプロトコルと、VOLEハイブリッドモデルでの閾値ECDSAの枠組みも示しています。

注目点半正直なPaillier型非対話VOLEを基に悪意ある敵対者に安全な版を提案し、2者ECDSAを改良。子分野への影響が大きい。

Michael Adjedj, Geoffroy Couteau, Nikolaos Makriyannis

IACR ePrint Public-key cryptography

Evasive Inner Product Functional Encryption Is Broken Too

説明『Evasive 内積関数型暗号も破られる』:一般形の暗号理論上の仮定が成り立たないことを示す論文

要約本論文は、Hsieh、Lin、Luo(Eurocrypt 2024)が提案した Evasive 内積関数型暗号(evIPFE)の仮定が、一般的な形では成り立たないことを示します。著者らは反例を提示し、Agrawal らによる擬似ランダム関数型暗号(PRFE)への攻撃を evIPFE に拡張しています。元の攻撃は関数型暗号が擬似ランダム関数を計算できることに依存していましたが、本論文はより弱い内積機能でも攻撃が成立することを示しています。

Shweta Agrawal, Anuja Modi, Anshu Yadav ほか

IACR ePrint Public-key cryptography

iO from LWE with Structured Preimage

説明構造化されたプリイメージを持つLWEから不可識別化難読化(iO)を構成する研究

要約本論文は、「構造化プリイメージ付きLWE」と呼ばれる新しい格子ベースの仮定を提案し、それを用いて耐量子環境での不可識別化難読化(iO)を構成しています。この仮定はインスタンス非依存・反証可能・非対話的であり、LWEサンプル群が、機能性を満たしつつ問題のある情報漏えいを避けるよう選ばれた短いガウス行列を与えられたとき、ランダムな値と区別できないと主張します。著者は関連するevasive LWE仮定に対する既存の解読分析を参考に、本仮定の詳細な暗号解析を行い、両者は表面上似ているが本質的に異なると述べています。

Shweta Agrawal, Anuja Modi, Anshu Yadav ほか

★★★★★ 注目
arXiv cs.CR · cs.RO

PhantomTac: Hijacking Robotic Tactile Systems with Deploy-and-forget Tags

説明PhantomTac:貼るだけで使える磁気タグによるロボット触覚システムの乗っ取り

要約磁気式触覚センサーの物理的な弱点を示した論文です。攻撃者は厚さ約0.5mmで電池不要の磁気タグを物体表面に貼り、磁場を変えてセンサーが読み取る力を偽装できます。法線力の偽装は物体を潰す恐れがあり、接線力の偽装は把持の緩みによる落下につながる可能性があります。実ロボットでの評価では、把持位置のずれが8mm以内であれば攻撃成功率は95%を超えたとされ、著者らは多モーダル整合性に基づく防御策を提案しています。

注目点磁気触覚センサの物理層の脆弱性を発見し、隠蔽可能な磁気タグ攻撃を提案、実機実験で成功率95%超を示した。

Binbin Zhang, Yifeng Zhang, Xiaomeng Chen ほか

★★★★★ 注目
IACR ePrint Attacks and cryptanalysis

New IND-CPA-D Attacks on BFV and BGV

説明BFV・BGVに対する新たなIND-CPA-D攻撃

要約本論文は、完全準同型暗号方式BFVおよびBGVをIND-CPA-D(攻撃者が計算結果を知っている状況での安全性)の観点から検討します。しきい値復号を伴う場合に現れる状況です。著者らは3つの新しい攻撃を提示します。1つ目はブートストラップ失敗攻撃をBFVとBGVへ拡張したもの、2つ目は暗号文ノイズを偏らせる攻撃、3つ目は暗号文マスクを偏らせる攻撃です。前の2つは秘密鍵の復元に成功し、3つ目はIND-CPA-D識別不能性ゲームを破ります。実験はHElibおよびOpenFHEで行われ、OpenFHEの第2攻撃はパラメータに応じて数分から数時間で秘密鍵を完全に復元しました。

注目点ブートストラッピング失敗攻撃をBFV/BGVに拡張し、ノイズ歪曲で秘密鍵を完全復元。HElibとOpenFHEで実験検証され、影響は大きい。

Hyeongmin CHOE, Minsik Kang, Damien Stehlé

★★★★☆ 注目
IACR ePrint Public-key cryptography

A Note on the Security of ECDSA with Presignatures or Biased Nonces

説明事前署名または偏りのある乱数を用いた ECDSA の安全性に関する考察

要約本稿は、分散 ECDSA 署名を高速化するために提案され、公開ライブラリや商用製品で使われているものの、健全な安全性の根拠が欠けている ECDSA の代替動作モードを再検討しています。著者らは、そのうちのいくつかの安全性が、汎用群および乱数オラクルモデルにおいて、k-SUM 問題の平均ケースの困難性に関する細粒度計算量の予想と同値であることを示しています。また、他の標準的な動作モードに対する汎用群攻撃の実行時間の下界も示しています。

注目点実運用されるECDSA変種の安全性を細粒度計算量のk-SUM平均困難性予想と同値と示し、一般群モデルでの下界も与えており、理論的な結び付けが新しい。

Geoffroy Couteau, Nikolaos Makriyannis

arXiv cs.CR · cs.LG

LeakBench: Auditing Reward Hacking through Prediction-Time Leakage in Clinical Modeling Agents

説明LeakBench:臨床モデリングエージェントにおける予測時点リークによる報酬ハッキングの監査

要約本論文は、臨床モデリングを行う自律エージェントが、予測時点で使えない入力を使って検証報酬を高めてしまう問題を検査する、ガイドラインに基づく実行可能な監査ツール LeakBench を提案します。合成タスクと MIMIC-IV および多施設入院記録データで評価され、制約なしの設定では多くのエージェントがリーク特徴を選択し、入院時点の明示的制約を加えるとリークは確認されなかったと報告しています。決定的な来歴検証器はリークを除去できたとされ、著者らはこれを専門家検証済みのベンチマークではなく、既知の失敗対照を備えた監査テストベッドだと位置づけています。

Xiaoyuan Bao, Jingsi Jiang, Jiao Shan ほか

arXiv cs.PL · cs.CR

Blame-aware Recomposition for Secure Compilation Proofs of Low-Level Compartment Isolation

説明低レベルのコンパートメント分離に対する安全なコンパイル証明のための責任認識型再構成

要約C などの安全でない言語で書かれたコンパートメント化プログラムに対する既存の形式検証済みコンパイラの安全性保証は、組み込みの保護機構とブロックベースのメモリモデルを仮定した比較的高い抽象度にとどまっている。本論文は、Abate らの証明手法が、各コンパートメントのコードを隠す必要がある再構成ステップのため低レベルでは成り立たないと指摘する。著者らは、コンパートメント同士がコードを互いに観察できる低レベル設定へ手法を拡張し、その観察を未定義動作として特徴づける重ね合わせ意味論と、責任認識型再構成を提案する。これをプログラマブルなタグベース参照モニタを用いた分離機構に適用している。

Basile Schlosser, J\'er\'emy Thibault, Catalin Hritcu

IACR ePrint Attacks and cryptanalysis

Blind-DLPA: An End-to-End Framework for Profiled Blind Side-Channel Analysis

説明Blind-DLPA:プロファイリング型ブラインド・サイドチャネル解析のためのエンドツーエンド枠組み

要約本論文は、攻撃者が既知の入力と鍵で採取したラベル付きトレースを用いてプロファイリングを行い、標的デバイスについては平文や暗号文が分からない場合を扱います。提案手法のBlind-DLPAは、前処理済みの完全なトレース窓を直接処理し、入力変数と鍵依存の中間変数のソフトなハミング重み事後確率を同時に推定します。これを事前計算した理論的同時分布と組み合わせて鍵候補を順位付けします。未保護のAESとKyberで鍵回復に成功し、保護されたAES実装では非同期化とブール・マスキングに対する頑健性を示しました。ASCADデータセットでは39本の攻撃トレースで推測エントロピー0に到達したと報告しています。さらに、先行研究で用いられたAscon向けハミング重み同時分布モデルに、鍵依存の理論分布の衝突という見落とされていた問題があり、このモデルでは鍵を一意に回復できないことを指摘しています。

Pei Cao, Chi Zhang, Dawu Gu

arXiv cs.CR

SpanGuard: Decoupling Instruction Localization from Authorization for Lightweight IPI Defense

説明SpanGuard:指示の位置特定と認可判断を分離した軽量な間接プロンプトインジェクション防御

要約論文は、LLMベースのガードレールは間接プロンプトインジェクション(IPI)に有効だが、モデルが小さくなると検出性能が大きく低下すると指摘しています。著者らは、注入された指示の位置特定と認可判断を同時に行うことが難しさの原因だと考え、軽量な教師なしセグメンテーションで位置を特定し、小型言語モデルで認可を判断する手法を提案しています。原文によれば、攻撃成功率は0.32%で、正常な有用性の低下はわずかです。

Yinxiang Wang, Zehua Ma, Kejiang Chen ほか

arXiv cs.CR · cs.LG · cs.SE

SPLASH: Contrastive Audit Pressure for Detecting and Localizing Security Hallucinations in Generated Code

説明SPLASH:対照的な「監査プレッシャー」で生成コードのセキュリティ上の幻覚を検出・特定する手法

要約大規模言語モデルが生成したコードは、機能テストには合格しても脆弱性を含むことがあり、モデル自身はそれを高い確信度で出力しがちだと論文は指摘します。著者らは SPLASH を提案し、同じプログラムのセキュリティ審査下と文体審査下での教師強制対数確率を比較して「監査プレッシャー」を算出し、候補プログラムから安全なものを選び、脆弱な文を特定します。63,684 件のプログラムでの評価では、安全なコードを選んだ割合は 74%、脆弱な文を先頭に置いた割合は不安全なプログラムの 58% だと報告されています。

Mirza Masfiqur Rahman, MD Ajwad Akil, Imtiaz Karim ほか

arXiv cs.CR · cs.AI · cs.LG

NIOCIS: Typed-Decision Next-Hop Routing with Node-Conditioned Option Spaces for Tool-Use Agents

説明NIOCIS:ツール利用エージェント向けの、ノード条件付きオプション空間による型付き次ホップ経路制御

要約本論文は、実行ログをループを畳み込んだ行動グラフに変換し、「ある状態で宣言済みの選択肢と停止のうち、次に何を選ぶか」に答えるルーティング層 NIOCIS を提案しています。1,615件の本番セキュリティ運用エピソードで評価したところ、型付きエンコーダは保留された3,875件の決定のうち32.2%で記録された次ホップと一致し、エンコード時間は約10ミリ秒でした。これは大規模言語モデルの1ホップあたり約2.2秒と比べて大幅に短いものです。著者らは、繰り返し現れる状態での不一致や、選択肢空間による利得の要因についても限界を報告しています。

Jin Han, Mingfeng Xin, Feng Liang ほか

arXiv cs.CR · cs.AI コードあり

Auditor-Assisted Summary-Channel Verification for Hosted LLM Identity Substitution

説明ホスト型LLMのアイデンティティ差し替えを監査員支援の要約チャネルで検証

要約ホスト型LLMサービスが申告したモデルと異なるモデルで応答している可能性を検出するため、SUMMARKという手法を提案している。監査員が事前に申告アイデンティティを登録し検証材料を準備し、監査時には申告アイデンティティと出力のみを用いる。ユーザーに見える推論要約を鍵付きの透かしチャネルとして利用し、異なるモデル系列や規模への差し替えを低い誤検知率で検出しつつ回答品質を維持したと報告している。精度低下、後処理、言い換え、テキストのみの偽装に対する頑健性と限界も検討されている。

Ziyi Zhang, Ziyao Wang, Guoheng Sun ほか

IACR ePrint Attacks and cryptanalysis

A Key-Recovery Attack on the GTLN Knapsack Cryptosystem via Continued Fractions

説明連分数によるGTLN ナップサック型公開鍵暗号への鍵回復攻撃

要約本論文は、Gómez-Torrecillas、Lobillo、Navarro が提案したナップサック型公開鍵暗号(GTLN)に対する連分数を用いた鍵回復攻撃を示す。公開鍵の差の比が小さい分母の有理数に近いという性質を利用し、連分数で有理数を復元して最大公約数計算から秘密鍵の二つの整数の倍数を得る。有界な余因子探索でこれらを特定し、残りの秘密パラメータを求める。実験では、素数ベースの鍵生成で推奨パラメータ24組、計2,400回の試行すべてで完全な秘密鍵を復元し、各攻撃は0.05秒未満で完了したと報告している。

Shiyi zhou, Yingpu Deng, Shi Ying

★★★★☆ 注目
IACR ePrint Attacks and cryptanalysis

From if to Oops: Turning a conditional into a key-recovery oracle

説明if から Oops へ:条件分岐を鍵回復オラクルに変える

要約本論文は、群作用から乱数性を取り除いた CSIDH の決定論的版(Houben の決定論的 CSIDH や OSIDH-LD など)を対象とする。決定論的な設計では、秘密に依存する各ステップが毎回の実行で固定された公開の位置に現れるため、攻撃者は同じステップに繰り返しフォールトを注入できると指摘する。1 つの命令をスキップすることで次の同種写像の計算先を選ぶマスクをゼロに強制し、出力が変化するかどうかから秘密指数が閾値に達するかを判定する。これを二分探索に用いると、1 回の実行につき 1 回のフォールトで鍵を復元できるという。著者らはソフトウェアのフォールトシミュレーションと ChipWhisperer-Lite 上で検証し、故障耐性には決定論性を放棄してランダム化に基づく対策が必要だと論じている。

注目点決定的CSIDHに新たな攻撃面を見出し、条件分岐を鍵回復オラクルに変換してシミュレーションと実機で検証している。

Gustavo Banegas, Nia Dimitrova, Monika Trimoska

★★★★★ 注目
IACR ePrint Foundations

Provable Lattice Reduction in Nearly the Time of QR Factorization

説明QR 分解とほぼ同程度の時間で動く、証明可能な格子基底簡約

要約本論文は、ビット計算量が対数因子を除いて QR 分解と同等となる決定的な格子基底簡約アルゴリズムと、その実装を提案している。ベンチマークでは、CRYPTO 2023 の flatter と比べ、153 回の実行すべてで命令数が少なかったと報告している。計算量は、より厳密な列スケーリング後のスペクトル条件数に依存して示されている。

注目点決定的格基底簡約をQR分解並みの計算量に近づけ、条件数に基づくより精密な界を示し、153回の実験でflatterを上回る。

Yang Zhou, Zhedong Wang, Mingsheng Wang

arXiv cs.CR コードあり

RAGLeak: Supply-Chain Privacy Backdoors in Retrieval-Augmented Generation

説明RAGLeak:検索拡張生成におけるサプライチェーン型プライバシーバックドア攻撃

要約本論文は、検索拡張生成(RAG)システムに対するサプライチェーン型プライバシーバックドア攻撃「RAGLeak」を提案している。トリガーが働くと生成器は検索された非公開文書を可逆的に難読化し、補助のLLMが高精度に復元できるようにする。3種類のモデルファミリーと3つの応用分野での実験では、正常時の有用性への影響は限定的で、代表的な検出型防御下での攻撃成功率の低下は最大約10ポイントとされる。クリーンな微調整後やモデル規模・版をまたいでも効果が残り、RAGシステムにおける十分に研究されていないサプライチェーン上のプライバシーリスクを示している。

Yuchen Chen, Wei Cheng, Yuan Xiao ほか

arXiv cs.CR · cs.AI

Secure Agentic Coding through Counterexample-Grounded Feedback

説明反例に基づくフィードバックによる安全なエージェント型コーディング(FALCON フレームワーク)

要約本論文は、攻撃の探索と動作の検証を分離し、被テストプログラムの実行トレースを通じて両者を結びつける反例ベースの検証フレームワーク FALCON を提案している。テスト時の修復において、FALCON は安全なコード生成のベンチマーク全体で、他の安全性シグナルより大きな未見データでの機能安全性の向上を示し、機能は維持または改善された。強化学習の報酬としても、FALCON は静的解析や学習型報酬より未見データでの機能安全性で優れていた。

Tue Le, Anh Nguyen Hoang, Gabriel Sasseville ほか

arXiv cs.CR · cs.CL

Budgeted Attack Scheduling for LLM Red-Teaming: The Roles of Static Priors, Semantic Guidance, and Online Feedback

説明予算制約下のLLMレッドチーミングにおける攻撃スケジューリング:静的事前情報、意味的ガイダンス、オンラインフィードバックの役割

要約本論文は、限られた試行回数の中で大規模言語モデルのレッドチーミングを効率的に行うため、脱獄攻撃の優先順位をどう付けるかを研究しています。固定された攻撃ライブラリに対する予算制約付き攻撃スケジューリングとして問題を定式化し、過去の攻撃成功率(ASR)事前情報、LLMによる意味的ガイダンス、オンラインフィードバックの三つの信号を比較しています。過去のASRは良い初期値を与えますが、防御による分布の変化で信頼性が低下します。意味的ガイダンスはコールドスタート時に有効で、オンラインフィードバックは転用した事前情報が古くなった際に特に役立つと報告されています。

Zhicheng Fang, Han Sun, Jiachen Lei ほか

IACR ePrint Implementation

Efficient and Compact High-order Masking Raccoon on Memory Constrained Devices

説明メモリ制約デバイス向けの効率的かつコンパクトな高次マスキング Raccoon 実装

要約本論文は格子ベースの署名方式 Raccoon を ARM Cortex-M4 上で高次マスキング付きに実装した初の効率的かつコンパクトな実装を提示しています。多項式乗算の最適化、サンプリングの一括 SHAKE256 呼び出しへの変更(少なくとも 1.80 倍高速化)、メモリ削減を行い、IoT 機器への実用的な展開を目指しています。参照実装より 1.85〜2.25 倍高速で、マスキング次数 d=2、4、8 では掩蔽 Dilithium3 よりそれぞれ 3.12、8.07、2.71 倍速いと報告されています。

Junhao Huang, Yiteng Sun, Jipeng Zhang ほか

arXiv cs.CR

PQC Migration of IPsec: Reliable Composite Key Sharing Mechanisms in IKEv2

説明IPsecの耐量子暗号への移行:IKEv2における信頼性の高い複合鍵共有方式

要約本論文は、IPsecプロトコルを耐量子暗号へ移行する際のネットワーク性能への影響を研究しています。耐量子暗号の鍵は長く単一のIPパケットに収まらずIP断片化を招き、ネットワーク状況が悪いとIKEv2のセキュリティアソシエーションが失敗して性能が低下します。著者らは古典鍵と耐量子鍵を一つの複合鍵にまとめTCPで送る方式を提案し、パケットロス1%で握手時間が少なくとも20%、10%では30%短縮され、消費エネルギーは10%ロス時に29%削減されたと報告しています。

Rahul, Manjesh Kumar Hanawal, Sameer G. Kulkarni ほか

IACR ePrint Public-key cryptography

Implementing Predicate Encryption for Branching Programs: Private Computation over Key-Homomorphic Encodings Without FHE

説明分岐プログラム向け述語暗号の実装:FHEを使わず鍵準同型符号化上で行う秘密計算

要約本論文は、分岐プログラム(branching programs)に対応する格子ベースの述語暗号方式を提案し、完全準同型暗号(FHE)を一切用いずに、範囲検査や正規表現検査などの異種条件を共通の属性表現上の一つの述語にまとめられることを示す。著者らの知る限り、分岐プログラムに匹敵する表現力を持つ述語暗号の初の実装である。NVIDIA A100 GPU 1基で、10ビット属性に対する述語の評価では、暗号化・鍵生成・復号にそれぞれ約4.06時間、4.70時間、4.23時間を要し、暗号文は342.25 GBである。

Sora Suegami

★★★★★ 注目
arXiv cs.CR

Towards Architectural-Level Safety Control: Relocating Hazardous Knowledge into Removable Experts in Mixture-of-Experts Models

説明アーキテクチャレベルの安全制御に向けて:Mixture-of-Experts モデルにおける危険な知識の取り外し可能な専門家への再配置

要約本論文は、Mixture-of-Experts(MoE)モデルに物理的に取り外し可能な新しい専門家を追加し、危険な知識を元のパラメータから移してこれらの新しい専門家に集中させる REX 手法を提案しています。新しい専門家を取り除くと、WMDP-Bio の正答率は大きく低下する一方、MMLU の変化はわずかです。さらに、追加の微調整後も、この除去効果は比較した基準手法より維持されると報告されています。

注目点MoEの構造を利用し、危険な知識を物理的に削除可能な専家へ移す新手法で、既存の抑制型アンラーニングと異なる。複数モデルと微調整後の残存を検証しており証拠は比較的強い。

Cheng Jin, Zhongtian Ma, Xiao Wang ほか

IACR ePrint Implementation

Optimizing HQC with Enhanced Parallel Binary Polynomial Multiplication on GPUs

説明GPU上での並列二進多項式乗算によるHQCの高速化(密鍵カプセル化方式)

要約本論文は、符号ベースの鍵カプセル化方式HQC(Hamming Quasi-Cyclic)について、GPUで全工程を動作させる高性能な実装を提示する。主要な計算コストであるGF(2)上の二進多項式乗算を高速化するため、Frobenius加法的高速フーリエ変換の並列化と、巡回積の1ビット整数(INT1)テンソルコアへの写像という二つの手法を提案している。RTX 4090上では、CG方式が鍵生成・カプセル化・復号の全体スループットで既存のHIGH実装より1.55〜2.03倍高く、BMMAw方式は単発の遅延を254マイクロ秒まで低減したと報告されている。

DongCheon Kim, JunHyeok Choi, Wai Kong Lee ほか

arXiv cs.CY · cs.CR · cs.HC

When Care Expands and Control Declines: Understanding Digital Privacy in End-of-Life Care

説明ケアが広がり、管理が弱まるとき:終末期医療におけるデジタルプライバシーの研究

要約本研究は、末期患者21名、家族介護者11名、医師8名への半構造化インタビューに基づき、終末期の患者がデジタルプライバシーの下でどのような状況にあり、どう考えているかを検討しています。主題分析により、十分な情報に基づく同意の欠如、認知機能低下による代理管理など五つの構造的課題が示されました。著者らは、プライバシー・バイ・デザイン、細分化された許可の仕組み、終末期患者に合わせた制度的ガバナンスの必要性を提起しています。

Yibo Meng, Bingyi Liu, Lionel Z. Wang ほか

★★★★☆ 注目
arXiv cs.IT · cs.CR · cs.LG

Fundamental Limits of Information-Theoretic Secure Aggregation with User Dropouts in Federated Learning

説明フェデレーテッド学習におけるユーザー脱落を伴う情報理論的セキュア集約の基本限界

要約本論文は、サーバーが個々のユーザーの勾配を見ずに勾配の総和を計算するセキュア集約を、途中で脱落するユーザーがいる場合について研究している。著者らは実際の脱落数に応じて通信量を調整する適応型の枠組みを提案し、鍵の乱数量、鍵配布の通信量、マスク付き勾配の通信量、マスク除去の通信量という4つの資源の下界を示している。提案方式は、ほぼすべての実行可能な条件で、これらの下界に対応する最適な通信速度を達成するとされている。

注目点実際の脱落数に応じて通信を適応させる枠組みを提案し、四資源の情報理論的下界と近最適な構成を与えている。

Jinbao Zhu, Kai Wan, and Giuseppe Caire

IACR ePrint Attacks and cryptanalysis

SAT and Neural Network Filters for Misinjections in Fault Attacks

説明故障攻撃における誤注入除去のためのSATおよびニューラルネットワークフィルタ

要約本論文は、攻撃者が想定した故障の位置に当たらない誤注入が鍵の誤った除外を招く問題を扱う。秘密鍵を使わず一回の注入ごとに誤注入を除去するSATフィルタと、ニューラルネットワークフィルタ、およびその組み合わせを提案する。マイクロコントローラ上でGIFT-64、GIFT-128、BAKSHEESHに対しクロックグリッチ注入の実験を行い、SATフィルタは意図した故障14669件を一つも除外せず、ランダム遅延対策のない非プロファイリング攻撃者の設定では全拡散ラウンドの誤注入の少なくとも0.940を除去した。組み合わせフィルタにより、BAKSHEESHに対するToFAの成功確率は5.2%から96.2%に上昇した。

Hanbeom Shin, Dongwoo Kang, Donggeun Kwon ほか

arXiv cs.CR · cs.SE

How Effectively Do Security Skills Guide Coding Agents in Vulnerability Detection in Linux Kernel?

説明セキュリティスキルはLinuxカーネルの脆弱性検出でコーディングエージェントをどれだけ効果的に導くか

要約本研究は、Claude Codeと4種類の大規模言語モデルを用い、37のセキュリティスキルを10クラスの実際のLinuxカーネル脆弱性100件で大規模に評価しました(計14800回の実行)。正しい関数を特定できたのは約24.4%、脆弱性の分類が正しかったのは15.7%でした。さらに失敗要因を分析し、失敗から学習して反復的にスキルを改良するフレームワーク「SKILL-SIF」を提案しています。未見の脆弱性では、完全に正しい検出率が2%から16%に向上したと報告されています。

Haoran Xue, Nikta Akbarpour, Gias Uddin ほか

IACR ePrint Attacks and cryptanalysis

IISFA: Ineffective Instruction-Skip Fault Attacks on Bitslice Implementations

説明IISFA:ビットスライス実装に対する無効命令スキップ故障攻撃

要約本論文は、冗長性対策で保護されたビットスライス実装を対象とするIISFAという故障攻撃手法を提案しています。故障を注入しても演算結果が変わらない場合を利用し、中間値の制約から鍵を復元します。8ビットAVRマイコン上で、GIFT、SKINNY、PIPOの5種類のビットスライス実装を評価し、測定したすべての鍵復元実験が成功したと報告しています。

Hanbeom Shin, Dongwoo Kang, Donggeun Kwon ほか

★★★★☆ 注目
IACR ePrint Foundations

Quantum State Search with Classical Interactive Advice

説明古典的対話アドバイスによる量子状態探索:量子オラクル下で QMA と QCIP を分離する研究

要約本論文は、量子検証者が、対象の量子状態を知る無制限の証明者と古典メッセージを交換して、その隠れた状態を見つけられるかを検討します。Haar ランダムな n 量子ビットの対象に対し、定数の平均忠実度を得るには (q+1)^2(B+1)=Ω(2^n) が必要であることを示します。ここで q は検証者の問い合わせ回数、B は証明者から検証者への総通信量です。この下界は Aaronson と Kuperberg の結果を任意の古典的対話に拡張し、QMA に属するが QCIP には属さない言語を与えるユニタリオラクルを構成します。この分離は UniqueQMA についても成り立ちます。

注目点Aaronson-Kuperbergの下界を単一の古典証明から任意の古典的対話へ拡張し、QMAとQCIPの量子オラクル分離を示す点が新しく、証明も厳密。

Mohammed Barhoush

arXiv cs.CR · cs.LO

Formalization of Rényi Differential Privacy in Isabelle/HOL (Draft version)

説明Isabelle/HOL によるレーニ差分プライバシーの形式化(草稿版)

要約本論文は、定理証明支援系 Isabelle/HOL 上で、一般的な設定におけるレーニ差分プライバシー(RDP)の形式化ライブラリを提案している。まず連続分布に対する RDP を形式化し、その技術的基盤として凸関数と非負凸関数の f ダイバージェンスの性質を形式化した。RDP の基本性質、RDP から DP への変換則、DP におけるモーメント・アカウンタント、ガウス機構とその RDP も形式化している。最後に、ガウスノイズを加えた確率的勾配降下法の機構を取り上げ、その RDP と DP の概算評価を形式化している。

Tetsuya Sato

★★★★☆ 注目
IACR ePrint Cryptographic protocols

Circular Dragon: widetildeOptimal Adaptively Secure Distributed Randomness/Key Generation and Parallel Broadcast

説明Circular Dragon:適応的安全性を持つ分散乱数・鍵生成と並列ブロードキャスト

要約本論文は、PKI設定下(可信発行者なし)で初めての強適応的安全性を持つ共通コインプロトコルを提案し、同期ネットワークで最適な耐性 t<n/2 を達成するとともに、通信量はほぼ二乗、ラウンド数は対数オーダーであると述べています。中核は楕円曲線群上の秘密を生成する専用の分散鍵生成(DKG)プロトコルです。さらに並列ブロードキャストと汎用DKGへの応用、そして従来のDragon手法のラウンド複雑度を下げる設計手法 Circular Dragon を示しています。

注目点最適耐性と準二次通信・対数ラウンドを同時に達成する初の強適応的共通コイン協議で、並列ブロードキャストへの応用も示す。主張の裏付けは主に理論的構成による。

Hanwen Feng, Yuan Lu, Tiancheng Mai ほか

IACR ePrint Attacks and cryptanalysis

Off-Key: Inconsistent MAC Keys Compromise Privacy in SPDZ-Family MPC

説明Off-Key:不整合なMACキーがSPDZ系MPCのプライバシーを損なう問題

要約本論文は、SPDZ系の安全な多者間計算プロトコルにおける鍵の一貫性の欠如を突くプライバシー攻撃「Off-Key」を提示しています。攻撃者は、バッチ、スレッド、プロセス実行ごとに異なる鍵を用いることで、一回の認証チェックから秘密値を復元したり、選択的失敗によって推測値を検証したりできます。著者らはMP-SPDZ、SCALE-MAMBA、FANNG-MPCの評価版でこの脆弱性を示し、鍵の一貫性を保って再利用する防御策を示しています。

Marcel Keller, Sela Navot, Nirvan Tyagi

IACR ePrint Applications

HERMES: High-Performance Private Decoding for Large Language Models

説明HERMES:大規模言語モデル向けの高性能プライベート復号

要約本論文は、プライバシー保護推論で利用者がプロンプトを明かさずに、先頭の一語だけでなく複数トークンの完全な回答を生成する方法を検討しています。非線形演算に多くの通信ラウンドが必要なこと、また注意機構のプロトコルが暗号文の容量を十分に使わず、キー・バリューキャッシュを繰り返し再暗号化または送信することが課題だと指摘しています。提案システムHERMESは、Llama 3.1 8B Instructでの評価において、出力トークンあたりの時間を最大2.7倍、全体の推論遅延を最大2.1倍短縮したと報告しています。

MohammadHossein Olyaiy, Cora Shao, Dingqing Yang ほか

arXiv cs.CR · cs.SY · eess.SY

TRACER: An RDC-Triggered Trajectory Recovery Framework for Cyberattack-Resilient Adaptive Cruise Control

説明TRACER:合理的走行制約によって起動する、サイバー攻撃耐性のある適応走行制御の軌道復元フレームワーク

要約接続型適応走行制御(ACC)では車両状態情報がサイバー攻撃にさらされ、不合理な追従挙動や縦方向の危険な動きを招くおそれがあります。本論文のTRACERは、観測された走行状態が校正された合理的走行制約(RDC)の範囲を逸脱したとき復元を起動し、さらに跨分岐的なロバスト模倣学習と微調整により、汚染された観測に対する頑健性を高めます。六つの攻撃シナリオでの実験では、既存の復元手法より精度・安定性・安全性で優れた結果が示されています。

Yicheng Yang, Tianyu Liu, Omar Tahri ほか

IACR ePrint Public-key cryptography

High-Precision CKKS with Focal Units

説明フォーカルユニットによる高精度 CKKS

要約CKKS で精度を上げるには、より大きなスケーリング係数が必要になり、準同型演算でのモジュラス消費が増えます。本論文は、未使用の SIMD スロットを精度と引き換えにする Focused CKKS を提案し、円分単位に基づく焦点的なリスケーリングと鍵切り替えで、選ばれたフォーカススロットの誤差を減らします。あわせて、Focused CKKS 向けのブートストラップ手順も構築しています。

Jung Hee Cheon, Junho Lee

arXiv cs.CR

Adaptive Cyber-Defense for Evolving Attacker Capabilities using Reinforcement Learning and Behavior Trees

説明攻撃者の能力変化に適応するサイバー防御:強化学習とビヘイビアツリーの組み合わせ

要約本論文は、CAGE Challenge シナリオ 2(企業ネットワーク防御のベンチマーク)で学習した防御方策を、新たな攻撃動作を加えた拡張ネットワークシナリオへ適応させる方法を研究しています。提案手法 ARLBT は、報酬ビヘイビアツリーで進行度に基づく報酬関数を定義し、その実行状況に応じて攻撃者方策を条件づけます。結果として、元の CC2 報酬関数を用いる場合より攻撃成功率が高まり、学習済み攻撃者に対して防御方策の頑健性が向上したと報告しています。

Nicholas Potteiger, Ankita Samaddar, Xenofon Koutsoukos

arXiv cs.CR

Spectrum of Liability: Forensically Sound Acquisition of Wireless Evidence for the Reconstruction of Maritime Cyber-Physical Incidents

説明責任のスペクトラム:海上サイバー物理事故の再構成のための、法医学的に健全な無線証拠の取得

要約本論文は、複数の周波数帯の無線IQデータを同時に記録し、AIS、GNSS、NMEA文などの受信機・機器状態のタイムスタンプ付きメタデータと併せて保存する、法医学的に健全な取得手法を提案している。証拠は追記専用の保全コンテナにまとめられ、ハッシュチェーン、信頼できる時刻アンカー、定期的なチェックポイントで暗号学的に結合されるため、第三者が改ざんや記録期間を検証できる。プロトタイプでは、実運用に即した多帯域取得レートにおいて、整合性機構のストレージおよび計算オーバーヘッドが小さいことが示されている。

Giacomo Longo, Alessandro Cantelli-Forti, Alessio Merlo ほか

arXiv cs.CR

SEAL: Towards Persistent Tool Poisoning Attack against LLM Agents via Prefix-Eliciting Trigger

説明SEAL:接頭辞誘導トリガーによるLLMエージェントへの持続的ツール汚染攻撃

要約本論文は、既存のツール汚染攻撃が単一ラウンドの相互作用を前提としており、現実的な多ラウンドのエージェント環境では効果が大きく低下することを指摘しています。その原因として、計画文脈の変化に伴いエージェントの推論において攻撃に関連する信号が一貫して現れないことを挙げています。著者らは二段階の手法SEALを提案し、接頭辞誘導トリガー最適化(PETO)で文脈ごとのトリガーを作り、局所から汎用へのトリガー集約(L2U)で単一の汎用トリガーにまとめます。七つの多ラウンドシナリオと複数のモデルでの実験により、有効性、モデル間の転移性、一部の防御への耐性が示されています。

Nanjun Zhou, Yiming Li, Yukun Chen ほか

arXiv cs.CR · cs.LG

GreenNIDS: A Benchmark Workflow and Analysis Dataset for NetFlow Intrusion Detection Experiments

説明GreenNIDS:NetFlow侵入検知実験のためのベンチマーク手順と分析用データセット

要約本論文は、公開のNetFlowデータセット上でのベンチマーク実行を再利用可能な分析用データセットに接続するGreenNIDSを提案しています。予測性能に加え、学習時間、スループット、メモリ使用量、熱設計電力(TDP)に基づく消費電力の推定値を実行単位で記録します。CPUのみで行ったデモ実験は4つのデータセット系列、3つのバージョン、二値分類と多クラス分類にわたる216回の実行からなります。多クラスのROC-AUCは36件のPyTorch実行で欠損しており、結果は記録された前処理や実行条件、概算の消費電力計算の範囲内で解釈する必要があります。

Lilia-Eliana Popescu-Apreutesei, Sabina-Cristiana Necula

arXiv cs.CR

Equivalent Non-linear Shift Register Transformations and Espresso

説明等価な非線形シフトレジスタ変換とEspresso

要約Espressoは5GセキュリティのためにDubrovaらが設計した、ハードウェア効率の高いストリーム暗号です。その安全性評価で用いられる代替NFSRが、元のNFSRと出力列を保存する変換で得られるかどうかが争点となっていました。本論文は既存の変換手法を分析し、Dubrovaの基礎的結果の証明における重大な欠陥を修正するとともに、DubrovaとYao・Parampalliの変換枠組みを統合しました。その結果、Yao・ParampalliのLFSR設計をEspressoの代替NFSRへ変換し、出力の等価性を満たす非線形出力関数を得ています。

Anirban Ghatak, Kaushik Sarkar, Anupam Chattopadhyay ほか

IACR ePrint Attacks and cryptanalysis

Computing endomorphisms of superspecial principally polarized abelian surfaces in time and memory p⁴/5+o(1)

説明有限体上の超特異主偏極アーベル曲面の自己準同型を時間・メモリ p^{4/5+o(1)} で計算する手法

要約本論文は、有限体上の超特異主偏極アーベル曲面の自己準同型を計算するアルゴリズムを提示する。標準的なヒューリスティクスの下で、期待時間およびメモリ p^{4/5+o(1)} で非スカラーの極化自己準同型が得られるとしている。

Marc Houben, Lam L. Pham