暗号資産・ブロックチェーン · 2026年10月16日(金)

ビットコイン、イーサリアム、ステーブルコイン、DeFi、スマートコントラクト、スケーリングとコンセンサス。

arXiv cs.SI · cs.CE · cs.CY

Graphlet-based Decentralized Finance Transaction Method Classification

説明グラフレット(graphlet)に基づく分散型金融(DeFi)取引方法の分類

要約本論文は、分散型金融(DeFi)の取引において、ネットワークのトポロジーがDeFi操作を表す取引方法を識別できるかを検討しています。著者らは有向グラフレットの特徴量を抽出し、最も頻出する30の取引方法を分類しました。その結果、グラフレット特徴量はイベントログのカウントと組み合わせることで分類性能を向上させることが示されています。さらにSHAP(SHapley Additive exPlanations)を用いてモデルの説明を導き、方法ごとのグラフレットの構造パターンを明らかにしています。

C\'{e}lestin Coquid\'{e}, Alessio Brini, Natkamon Tovanich

arXiv cs.CR · cs.DC

On the (In)stability of Adaptive Fee Mechanisms in Multi-Chain Systems

説明マルチチェーンにおける適応型手数料メカニズムの(不)安定性に関する論文

要約本論文は、イーサリアムのEIP-1559に似た適応型基本手数料が、複数のブロックチェーンをまたぐ環境で安定するかを検討しています。著者らは、遅延を伴うフィードバックを持つ非線形動的システムとして制御理論の枠組みを提案し、遅延によって増幅される過剰修正が不安定化の構造的な原因であると指摘しています。実験では、チェーン間の結合によって安全なパラメータ範囲が大きく狭まり、不安定性が他のチェーンへも広がることが示されています。これを受けて、過剰修正を取り除く軽量なプロトコルレベルの緩和策も設計されています。

Yifan Zhou, Jiang Xiao, Xuechao Wang ほか

arXiv q-fin.ST · econ.GN · q-fin.EC

Market Efficiency in a Changing Asset Population: Mobility, Entry, and Survival over Cryptocurrency's Full History

説明変化する資産母集団における市場効率性:暗号資産の全期間にわたる移動、参入、生存

要約本論文は、2013年から2026年までに上場された8,970の暗号資産、690の週次横断面データを用い、暗号資産の時価総額分布におけるマルコフ連鎖の移動に対して弱形式の効率性が課す対称性制約を検証しています。すべての時期で対称性は棄却されますが、非対称性は縮小しており、収束したのは個々のコインの評価ではなく、新規参入による構成の入れ替わりであると述べています。最下位十分位は紙上では週27.5%の収益を示すものの、実際に取引される資産では収益がなく、その収容能力は293,000ドルとされています。

Antonis Ballis, Christos Ioannidis

arXiv cs.DC

QuarkShard: Decomposing Cross-Shard Requests into Single-Input Transactions

説明QuarkShard:クロスシャード要求を単一入力シャード取引へ分解

要約ブロックチェーンのシャーディングは作業負荷を複数のシャードに分散して拡張性を高めますが、クロスシャード要求を安全かつ効率的に処理することは依然として課題です。本論文は、クロスシャード要求を単一シャード内でのみ合意と処理を要する取引に分解するシャーディングプロトコル QuarkShard を提案し、要求分解アルゴリズムによって資金の原子性または位置の原子性を保証するとしています。四つの AWS リージョンにまたがる広域ネットワークでの評価では、ピーク時に毎秒 1024k 件の要求を、4 秒未満の遅延で処理したと報告されています。Kronos および 2PC と比較した最大スループットは、それぞれ 210.7% と 314.8% とされています。

Changyu Duan (1), Zhixuan Fang (1) ((1) Tsinghua University)

arXiv cs.CR · cs.MA

Provable Authority: A Protocol for Verifiable Authority Resolution and Control Across Human, Organizational, and Agentic Transactions

説明証明可能な権限:人間・組織・エージェントの取引に対する検証可能な権限の解決と統制のプロトコル

要約本論文は、取引の実行前に、取引相手や決済レールが発信者に現在の組織的権限があるかを独立して検証できるようにするプロトコル(ChainIT Authority Protocol)を提案する。身份、権限記録、証拠の主張、ポリシー判定、実行資格の各要素を分離し、判定と人間の承認を同一の取引ダイジェストに紐付ける。AIエージェントを主体とする場合の拡張、法定通貨およびステーブルコインのレールへの適用、残存リスクと非目標も記述されている。

Jeremy Blackburn, Tim Hines, Matthew Koepp ほか

★★★★☆ 注目
IACR ePrint Cryptographic protocols

Aerie: Efficient Aggregation of Falcon Signatures

説明Aerie:Falcon 署名の効率的な集約方式(耐量子署名の証明システム)

要約本論文は、Falcon-512 と Falcon-1024 の署名を集約する証明システム Aerie を提案する。一括の署名を、短い証明一つで置き換える仕組みである。Aerie は各署名の短いランダムソルトを集約に残すため、検証者がハッシュを直接計算でき、証明は代数的検査とノルム検査のみを対象とする。GPU を使わない Apple M4 Max ノートPCで 32,768 件の Falcon-512 署名を約 0.65 秒で集約し、検証は約 54 ミリ秒で完了すると報告している。

注目点Falconの署名をラティス系SNARKで集約し、ソルトを残して哈希計算を検証者に任せる点が新しい。32768件での証明時間と検証時間を具体的に示している。

Alberto Centelles, Quang Dao, Mohammadtaghi Badakhshan ほか

arXiv econ.EM · cs.ET · q-fin.RM

Agentic AI in Automated Markets

説明自動化市場におけるエージェント型AI:異なる取引行動が市場ストレスと変動に与える影響

要約本論文は、自動化市場メーカー(AMM)上で強化学習により動く三種類の取引エージェント(合理的裁定者、操作者、追随する個人投資家)を研究する。時間足の暗号資産データ(AAVE、ETC、SUI)によるパイロット分析で、各行動類型のストレス発生頻度や持続性、リスク調整後の収益を比較している。結果として、一律の変動・回転率規制ではなく行動類型ごとの規制が必要だと論じている。

Irene Aldridge, Lourenco Belleau-Bhowmik, James Chan ほか

arXiv cs.DC · cs.NI

TCDA: Tunable Coded Distributed Arrays for Data Availability Sampling

説明TCDA:データ可用性サンプリング向けの調整可能な符号化分散配列

要約本論文は、ブロックチェーンのデータ可用性サンプリング(DAS)向けに、多数のビザンチンノードが存在しても堅牢に動作する符号化ネットワーク層TCDAを提案します。各ノードが割り当てデータのどれだけを保持するかを決める調整パラメータにより、PUTおよび保存コストとGETコストのトレードオフを調整できます。イーサリアムのパラメータでの評価では、完全複製方式のRDAが証明期限に間に合わないのに対し、TCDAは868〜40,000の正常ノード規模で期限内に収められ、ノードあたりの保存量は1.7〜32倍少なく、サンプルあたりの往復回数は2.5〜7.7回になると報告されています。

Duc A. Tran, Dung Truong, and Duy Le

arXiv cs.CR

Capital Costs Protect the Network: Mining Gap Dynamics in Proof-of-Work Blockchains Under a Stochastic Mempool

説明資本コストがネットワークを守る:確率的メンプール下におけるプルーフ・オブ・ワーク・ブロックチェーンのマイニング空白期間の動態

要約ブロック報酬が減少するにつれ、プルーフ・オブ・ワーク型ブロックチェーンはマイナーの参加維持を取引手数料に頼る度合いを強めています。本論文は高手数料取引の滞留を Lindley 型漸化式でモデル化し、その定常分布を用いてマイニング空白期間(高手数料取引が十分に溜まるまでマイナーが待機する時間)を特徴づけます。ビットコインの難易度調整の下では、空白期間の期待値はネットワーク上の算力とともに増加し、算力が無限に増えると一周期全体を占めることが示されます。自由参入条件により一意の長期均衡算力が定まり、資本コストがその上限となって空白期間が一周期全体を占めることを防ぎます。

Hasan Sel\c{c}uk K{\i}l{\i}\c{c}, Nail Akar